法人化の比較額は年間利益いくらで交差する?限定試算の読み方
年商ではなく経費差引後の年間利益を使い、令和8年度(2026年度)・東京の公式税率による試算を解説します。
令和8年度・東京・公式一次ソース準拠法人成りでよくある質問が「年間利益いくらから検討するのか」です。結論から言うと単一の正解額はなく、年商ではなく年間利益と個別条件で比較します。ここでは当サイトの対応範囲で、個人本人の手取りと法人側合計が交差する目安、その読み方を整理します。
「いくらから」に唯一の正解がない理由
比較額の交差点は、次の条件で変わります。だから「年商◯◯万円から」と一律には決まりません。
- 事業の利益額:利益に応じて個人側と法人側の税・社会保険負担が異なる
- 他の給与・社会保険:本業給与がある場合は所得税の合算と二以上事業所勤務を別途計算する必要がある
- 業種:契約・業務実態が個人事業税の法定業種に当たるかで個人側の負担が変わる
- 家族構成・各種控除:扶養や所得控除の状況
比較額が交差する目安(試算)
東京・単身・40歳未満・青色申告特別控除65万円という前提で当サイトのエンジンが試算すると、比較額の交差点は次のとおりです。
- 個人事業税5%の仮定:年間利益およそ450万円で2つの比較額が交差
- 個人事業税0%の仮定:年間利益およそ575万円で交差
個人事業税5%を仮定した場合、法人側合計(本人手取り+会社所有・出口課税前の内部留保)と個人本人の手取りの参考差は次のように推移します。
| 年間利益 | 参考差(法人側合計−個人本人) |
|---|---|
| 300万円 | −8.5万円(個人本人が多い) |
| 400万円 | −1.8万円(ほぼ均衡) |
| 500万円 | +8.3万円 |
| 600万円 | +26.8万円 |
| 800万円 | +63.6万円 |
| 1,000万円 | +94.4万円 |
| 1,500万円 | +157.1万円 |
利益が大きいほど差が広がる理由
個人には所得税の超過累進税率(5〜45%)に加え、住民税・個人事業税・国民健康保険等があります。一定の中小法人の国税の法人税率は年800万円以下の所得部分が15%、超える部分が23.2%ですが、法人住民税・法人事業税・社会保険の会社負担・均等割も生じます。15%と個人の税率だけを比べず、本人と法人の税・社会保険・固定費を同じ範囲で合算して判断します。
交差点が変わる要因
- 法人の固定費を抑えられる:会計・申告・運営コストが小さいほど、法人側合計との差が残りやすい(役員社宅など福利厚生の活用も固定費に影響する)
- 消費税は別に判定する:新設法人でも、各期の資本金、支配関係、特定期間、インボイス登録・課税選択等で納税義務が変わります(新設法人の消費税判定を参照)
- 個人側の負担が大きい:個人事業税・国民健康保険等が高い場合は差が出やすいが、法人側の社会保険料と税金を含めて比較する
まとめ
法人化を判断する単一の利益額はありません。当サイトの限定条件では、個人本人の手取りと法人側合計が、個人事業税5%仮定で年間利益約450万円、0%仮定で約575万円で交差します。会社所有資金を本人手取りと同一視せず、業種判定、家族・控除、社会保険、固定費を実際の条件へ置き換えてください。
利益額以外の判断軸(消費税・役員報酬のルール・インボイス)は法人成りのタイミングを判断する4つの軸で整理しています。税金・社会保険・控除・コストの違いを項目別にまとめて見たい場合は個人事業主と法人(マイクロ法人)の違い比較表を参照してください。
公式一次情報
よくある質問
- 個人と法人側の比較額は年間利益いくらで交差しますか?
- 東京・単身・40歳未満・青色申告65万円・この法人以外に給与と社会保険加入先なしという限定試算では、個人事業税5%仮定で年間利益約450万円、0%仮定で約575万円です。法人側には会社所有・出口課税前の内部留保が含まれるため、法人化の有利不利を示す金額ではありません。
- 2つの比較額が交差する利益は何で変わりますか?
- 法人の固定費、消費税の免税要件、個人側の個人事業税・国民健康保険等で変わります。ただし、会社員の副業法人は本業給与との所得税合算と二以上事業所勤務の計算が必要で、当サイトの比較計算は対応していません。